産業用ロボットの定義は?

産業用ロボットとは、JIS規格により以下のように定義づけられています。

・マニプレーター及び記憶装置を有し、記憶装置の情報に基づきマニプレーターの伸縮、屈伸、上下運動、左右運動もしくは旋回の動作またはこれらの複合動作を自動的に行うことができる機械 

JIS B 0134:2015より

ただし、以下の機械は産業用ロボットから除かれます。

・定格出力が80W以下の駆動用原動機を有する機械
・単調な動きのもの ・接触しても作業者に危害が加わらない構造
・性能を生ずる恐れがないと厚生労働省労働基準局長が認めたもの
※ここで明記されている、厚生労働省労働基準局長が認めたものの中にはユニバーサルロボット等の協働ロボットは含まれていません、よって、協働ロボットは産業用ロボットの一種となります。

弊社大阪営業所が所有するユニバーサルロボット(協働ロボット)

産業用ロボットは専用機?それとも汎用機か?

産業用ロボットは、産業用機械の一種で、汎用機として使うことも、専用機として使うこともできる機会となります。
また、産業用ロボット特有の操作として教示という作業が必要になってきます。
教示とは、一般的に産業用ロボットに姿勢を記録させる作業を言い、この覚えさせた姿勢を繰り返し再生(プレイバック)することから、産業用ロボットの分類を『プレイバックロボット』とも呼びます。
このように、産業用ロボットが覚えさせた作業を高速で何度も行うことによって、生産性の工場や品質の一定化させることができます。
このような特性から、産業用ロボットは『専用機』と『汎用機』どちらにもなります。

産業用ロボットを扱うのに必要な資格は?

産業用ロボットを扱うのに、資格や免許は必要ありません。

しかし、労働安全衛生規則第36条によって、産業用ロボットの稼働範囲内での教示作業で、駆動源を遮断しない場合の作業者は特別教育の受講が義務付けられています。
特別教育を行わずに産業用ロボットの教示作業を行ない、事故を起こした場合、作業を命じた責任者が書類送検されたというような事件も実際に起こっております。

産業用ロボットと関係法令

残念ながら産業用ロボットが要因の事故がゼロになった年はありません。
特に、産業用ロボットによって『挟まれた・巻き込まれた』『追突された』という事故が産業用ロボットが起因の事故原因の半分以上で、圧倒的に多い要因となります。

産業用ロボットを導入した場合に重要なこととは?

産業用ロボットは万能ではありません。
経年劣化で故障もしますし、教示作業の間違いで大きな事故を起こすリスクもあります。

産業用ロボットを導入した場合の重要なことは、

① 日常の点検を怠らず、メーカー推奨のメンテナンス期間で定期点検(予防保全)をする。
② 教示をした行なった後に、必ず自身が意図した教示動作となっているかを確認する。
③ 始動前には注意喚起や安全確認を必ず行う。
④ 緊張感を持って操作する。

少しでも異変を感じた場合、速やかに責任者に連絡し、業者等へメンテナンスを依頼しましょう。

ラインに産業用ロボットが導入されることが一般化されております。

産業用ロボットと聞くと、『導入が難しそう』『私たちの業界には関係ない』といったご意見を聞くことがあります。

しかし、その敷居が近年急速に低くなりつつあります。
その理由は大きく二つあります。

産業用ロボットの価格が安くなっている。

1980年代、産業用ロボットが日本の大手企業に導入された『ロボット元年』の産業用ロボットの価格は、当時の価格で2000万円(現在の価格で2500〜3000万円)でした。それに対して、現在のロボットの平均的な価格は200〜300万円と約1/10の価格となっており、中小企業も購入しやすい価格となりました。
また、さまざまな補助金等の活用により、公的な補助金を得られるようになったのも、導入を加速させる理由の1つといえます。

ロボットの性能だけでなく、周辺機器の性能が上がった。

1980年代日本に初めて産業用ロボットが導入され、瞬く間に車を製造する大手企業に産業用ロボットが導入されていきました。
特に、塗装や溶接の産業用ロボットが多く導入されていたと聞きます。

しかし、その他の企業への普及はなかなか進みませんでした。
というのも、当時の産業用ロボットはワークを持ち上げて少し動かすことができたら、『すごい!!』と言われる程度の性能だったからです。

では、近年のロボットの性能はどうでしょう。
『トルクセンサーが装備され、人にぶつかったら停止するロボット』、『カメラが装備され、視覚を持ったロボット』、そのほかにも多様な仕様のロボットが登場しております。

また、ロボットに装備される周辺機器の性能もグンと上がりました。

・IoTを活用し、必要な時にロボットが稼働し、最適な量の生産ができるようになりました。
・検査ではカメラで撮影したデータをビッグデータに取り込み、ワークの微細な不具合でも発見できる。
・AIを活用しロボット自身が動作を考え、的確な動作をすることができる

これ以外にも様々な『できたらいいな』『あったらいいな』が現実で『できる』時代になったことも、ロボットが普及した1つの要因と言えるでしょう。

          AIにて動作軌跡を自己学習するロボット(youtube 株式会社Mujin公式チャンネルより)

産業用ロボットの導入を内閣府も推奨しております。

『Society 5.0』という言葉をご存知でしょうか?
これは、内閣府が掲げる目指すべき未来社会の姿のことです。

Society 5.0のキーワードは、『IoT』『ビッグデータ』『AI』そして『ロボット』です。

出典:内閣府ホームページ (https://www8.cao.go.jp/cstp/society5_0/)


当社は『ロボット』を中心として『IoT』『ビッグデータ』『AI』と組み合わせによる『Society 5.0』の実現を目指しております。

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